2009年3月2日月曜日

Birds in Corpus Christi

今回のテキサス滞在で宿泊しているホテル、片側二車線の道路を挟んで向かいはすぐに海岸線というすばらしいロケーションにあります。
上の写真はまさにホテルのロビーから外に出た瞬間に目に映る光景。
日の出と海鳥の写真を撮ろうと思い、朝7時前にベッドからもぞもぞと抜け出してロビーの売店で買ったコーヒーとバナナ・ケーキを片手に寒風吹きすさぶ朝のコーパスの海岸を散歩してみました。
ホテルの目の前の道路を渡り、すぐ眼下に広がる海面を見渡すとカモメやペリカンの朝食の真っ只中。
海面をしばらく泳ぐとペリカンは空に飛び上がり、30~50mほど上空に上るとすぐに狙いを定めて海面にダイブ。見たところほぼ百発百中で魚を捕まえ、喉を鳴らすようにして飲み込んでいました。
全ての海鳥は南から北に向かって緩やかに移動しており、おそらくこれは餌となる魚の回遊ルートを追うペリカン、そしてそのおこぼれを狙うカモメ、そしてさらにそのおこぼれを狙う小型の鳥、と食物連鎖の実際を群れの移動を通して観察する幸運に恵まれていたのでしょう。
この写真にある鳥の名前は調べておらずよくわからないのですが、光沢のある黒い羽が美しく、目つきとくちばしの形は猛禽のようでなかなか格好の良い鳥なのです。
街中の街路樹には群れているようですが、海岸ではほぼ単独で行動し、とても同一の鳥の鳴き声とは思えないほどバリエーションに富んださまざまな鳴き声でけたたましく鳴き回ります。
こちらに来て以来、この一週間というもの日本のこの冬一番の寒さなどどこ吹く風と、コーパスでは半袖が快適に思えるような暖かい日が続いていたのですが、今日はカメラを持つ手がかじかんでしまい、寒さで顔や手が痛くなるほど。昨年モンゴルで非常に寒い中、朝の散歩をしましたが、その時に勝るとも劣らない寒さに少々驚きました。
コーパスのそばを流れる潮が寒流なのでしょうか。
しばらく写真を撮りながら歩いていると、やがて朝日が昇りましたがその寒さは一向に変わりませんでした。
ホテルから数百メートルほど南に歩き、エビ捕り船が無数に係留してある桟橋にくるとそこはカモメやペリカン天国。
この桟橋でもほぼ全ての海鳥が南を背にして羽を休めているのがお分かりいただけますでしょうか?
パドレー・アイランドでは警戒心が強くてなかなかそばに寄れなかったペリカンですが、この桟橋で見かけたとあるペリカンは老齢の為か、はたまたその深い人生経験(鳥生経験?)の為か、己と他者との間の限界距離を非常に近く設定しており、僕が下方からゆっくりと近づく分にはそれこそ手を伸ばせば触れることができるのではないか?と思うほど近くまで接近することを許してくれました。
どうでしょうか、このペリカンの達観しきった目つき!
なにか諭されているような気分になってしまいます。
ペリカンが翼を広げた瞬間をカメラに収めようと思い、いつでもシャッターを切れるように細心の注意を払いながら、かつ幅1mもない桟橋から、ファインダーに夢中になるあまり足を踏み外し、周りの方々に迷惑を掛けることの無いように細心の注意を払いながら、じりじりと、物陰(といっても直径30cmにも満たない木の杭なのですが…)を伝いながら這うように接近していったところ、とうとうズームを使わずともこの大きさで撮れてしまうくらいまで接近してしまいました。
なんというか、あまりの奴の落ち着きぶりに、人として少し狼狽を覚えるほどで、逃げるそぶりすら見せないこの老ペリカンに、身をかがめて物陰を伝いながら接近を試みる僕の姿はさぞかし滑稽に見えたのではないでしょうか。
こちらの海鳥は、まだまだ警戒心が強く、先ほどのペリカンほど近づくことはできませんでしたが、それでもその愛嬌のある容姿を十分に楽しむことができる距離から数枚の写真を撮ったところで、他の海鳥にたがわず、やはり北に向かって飛んでゆきました。

23日からのコーパス滞在も今日が最終日。明日の朝一、僕は東に向かって飛んでゆきます。

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