2008年6月10日火曜日

一路リッチモンドへ

6月6日にロスでの主たる目的であったムンジアルを終え、友人宅に帰宅すると僕を待ち受けていたのは恩師の訃報でした。
人生で起こることはある意味ほとんどすべて予想の範囲内のことですが、その個々の事象が実際にわが身に起こるその順番に関しては予想の範疇にあることと、まったく予想外のことがもつれ合っています。人生を無為に過ごすまいと考えていたつもりですが、無駄な時間を過ごすまいと頑なに思うあまりに、すこし心に余裕があれば持ち得た貴重な時間を逃していたのだ、と言うことに気付き改めて己の未熟さを思い知った数日でした。
すぐに帰国したい、と言う無意味な衝動から目を背け、当初の予定通りにもうひとつの目的を果たす為にサンフランシスコに向かいました。
LAX⇔SFOのチケットをキャンセルし、ロスのダウンタウンにあるユニオン・ステーションからサンフランシスコ郊外のエマリーヴィルまでAmtrackという鉄道を使って移動することにしました。
AmtrackのHPであまり細かく考えずに時間と値段でチケットを取ったら、ロスのダウンタウンからベイカーズフィールドまではバスで移動し、そこから電車に乗り換えてエマリーヴィルに向かう、と言う旅程となりました。
ユニオン・ステーションで友人と別れ、ほの暗い照明と高さのある天井、そして雑踏に旅情を嫌が応にも刺激されながら発券と荷物のチェックインを済ませてバスに乗り込み、一路ベイカーズフィールドを目指します。
禿山の間を縫うように2時間、うとうとしたり外の景色を見ているうちにあっと言う間にベイカーズフィールドに到着です。
(上はベイカーズフィールドのホーム。ホームのすぐ横にバスで横付けしてくれるので乗り換えに階段を上り下りしたり、ドアを何度もくぐったりする必要はありません。)
電車は片側2列、もう一方に1列と言う変則的な席並びでしたが、おかげでスペースはゆったりとしていて快適です。
5両ほどの客車の真ん中に食堂車があり、そこでピザとポテトとダイエット・ペプシを注文し、のんびりと景色を見たり、本を読んだり、はたまた恰幅がよくて、朗らかで器量のよい黒人の女性車掌さんの挙動を眺めたり…
優雅なものです。
こちらはサンフランシスコも程近い、線路西側の丘陵地帯。
潅木や雑草がきれいで均一な黄土色に枯れ、一見すると砂漠の只中にいるような錯覚を覚えます。
夕方の7時にはエマリーヴィルに到着の予定でしたが、6時ごろに車内にアナウンスが入り、それによると草原の火災でしばらく停車するとのこと。
もともと”ゆっくりすること”が目的であえてAmtrackを使うことにしたので、個人的にはまったく問題なし。
(Amtrackのトイレは広かった!)
3時間程足止めを喰らって、あたりに夜の帳が下りたころ、ようやくエマリーヴィルに到着。
ロスの友人にメールで無事の到着を知らせると、
"Thx!! Fire accident is one of amtrak events n all goood! lol! "
だそうです。

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